梶原耕藝

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2021.05.14|農家の日常

トマトの浅植えは是か非か

4月から育苗管理してきたトマトの苗。

1番花がぞくぞくと開花してきたので定植しています。

トマトの定植のタイミングが1番花が開く頃なのは、葉茎を大きくしようとする栄養生長と、花をつけて着果させようとする生殖生長とを、良いバランスを保った状態のまま安定させられるからです。

開花する前に定植すると、栄養生長の方に傾いて、葉茎を大きくする方向にいってしまいます。

ハウス内に1つずつ植穴を掘り、苗を植えつけていきますが、この時の植付けはどのくらいの深さにすればいいのか。

「深植えは避けた方がいい」

というのが一般的です。

その理由は、深植えするとそれだけ根鉢が湿った状態になるので、水分調節が難しく、余計な水分や栄養を吸収することにつながるので、茎が太くなって実があまりつかない”樹ボケ”の状態になりがちだから。

よって、浅植えの方が適しているんですが、どれくらい浅く植えるかは農家によって違いがあります。

地表から少しだけ根鉢が上がる程度に植える人もいれば、地表に根鉢を置くだけの超浅植えの人もいます。

今回は根鉢の半分~2/3を地表から上げた状態で定植しました。

根鉢が上がるほどそれだけ水分が抜けて乾きやすくなるので、定植後の潅水の回数も多くなります。

これだけ浅植えだときちんと根が張るのか心配ですが、トマトは水分や養分を吸収する力が強いので、植付け直後の生長を抑え気味にするためにはこれくらいで十分だと考えています。

定植するようになると、いよいよ本格シーズンが到来したなという気がします。

良い状態で生長しているかどうか、毎日の観察が欠かせません。

梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)

1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!

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