梶原耕藝

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2021.05.27|学習・研究

樹勢が落ちたトマトを回復させる方法

今日も未明から大雨が降っています。

急変しやすい天候は、いつも農家に難しい判断を求めてきます。

先日、トマトで発生した、葉が枯れあがる症状について、その原因とこれからの対応策を自分なりにまとめました。

発生した原因はいくつか考えられますが、例年より異常に早い梅雨入りが症状を引き起こしたことは間違いなさそうです。

通常、定植する時期(5月上~中旬)は晴れ間が続くことが多く、苗は水分を求めて土中に確実に根を伸ばしていきますが、今年のように悪天候が続くようだと、そのぶん根張りが進みません。

さらに、今年は風が強い日も多かったのもあります。

トマトが風にさらされ続けることで、トマトの体内の水分が奪われていきます。

水分が奪われる一方で、根張りが進んでいないため十分に土中の水分を吸収できずに、葉が枯れてしまった・・・

というのが今回の原因でしょう。

そのことは、定植時に浅植えにしていたり、根量が少ない株ほど症状が大きかったことからもうかがえます。

もし浅植えでなく深めに植えていたら、今回ほどの被害はなかったはず。

それを踏まえて、今後とるべき対策は何か。

とにかく根をしっかり張らせることだと思います。

株元に十分に潅水をして、場合によっては発根促進剤を使う。

根張りが進んでくればそのぶん樹勢の回復も早くなるでしょう。

枯れた葉は元に戻らないので、とにかく新しい葉をしっかり出させることが大事です。

今回の症状は、梅雨による悪天候を背景に、いろんな複合的な要因が重なって起きたものだと思います。

一つひとつの方法は間違っていなくても、天候しだいではそれらが悪い方に作用することがある。

自然を相手にする農業の難しさを、改めて認識させられた今回のできごとです。

梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)

1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!

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