2021.05.29|農家の日常
葉面散布の効用とは
植物が養分を吸収できるのは、根からだけではありません。
葉や茎からも養分を吸収できます。
葉や茎に直接養分を付着させて吸収させる方法が、葉面散布です。
先日の長雨と低温などで樹勢が衰えているトマトの株に、葉面散布を行いました。
目的は、生理障害が発生して根がまだ動いていない状態なので、葉茎に直接養分を与えて、樹勢回復を早めるためです。
葉面散布に使う肥料といってもいろいろあって、目的によって使い分けが必要です。
微量要素の欠乏を防ぐものから、植物の生育をコントロールするものまで。
今回使ったのは、アミノ酸が主成分の葉面散布剤。
梅雨時期など光合成がうまく行えない場合に使っています。
葉面散布を作物全体にすると、労力もかかりますし液剤も多く必要ですので、主に生長点中心に行うようにしています。
生長点付近の新しい葉が最も吸収力が強いからです。
さらに、養分の吸収は葉のオモテよりウラの方が多いので、ウラに液剤がかかるように散布するのもポイントです。
これで少しでもトマトの樹が回復してくれることを願うばかりです。
でも、葉面散布はあくまで補助的に養分を与える作業。
メインはあくまで根から吸収させることなので、過大な期待は禁物・・・かな?
梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)
1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!
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