梶原耕藝

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2021.06.10|その他

田植えあがりはやるべきか

うちの集落では全戸で田植えが終わりました。

田植えが終わると、一斉に同じ日に2日間休みを取るという慣習がありました。

これを「田植えあがり」といいます。

組内の長である組長が

「〇日と△日は田植えあがりにします」

と知らせるルールになっていて、今年は私が組長なのでその役割です。

ところがこの「田植えあがり」、今ではほとんど守っている農家はいません。

米作が農作業の中心だった時代にできた慣習で、野菜作中心となった現在では、この時期に簡単に休みなど取れないのです。

次の会話のうち、あなたはどちらが正しいと思いますか?

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A「田植えあがり決めても誰も休まないなら、もう田植えあがりの日を決める意味はないんじゃ?」

B「田植えあがりを組長が知らせるのは昔ながらの慣習だから、やめるわけにはいかん」

A「でも、結局どこも休まないんでしょ?」

B「そうだけど、何でもかんでも慣習を無くすのはいかん」

A「慣習は大事と言いながら有名無実化してるなら、もう見直す時期なんじゃ?」

B「とにかく決まってる役割は果たさんといかん」

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(ちなみに、Aは私、Bは親の実際の会話です。)

たしかに、昔から続いている伝統・慣習が必要かどうかを、合理性だけで判断するのは良くない場合もあります。

残すべきは残し、捨てるべきものは捨てる。

「昔からそうだから」という理由だけでは、田舎は支えきれなくなるし、新しい時代に対応できなくなるでしょう。

梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)

1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!

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