梶原耕藝

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2021.12.10|農家の日常

トマトの根は健康状態を表す

数日前のことになるんですが、収穫が終了したトマトの樹を抜根しました。

抜根して樹を枯らしてから片付けるので、前もって早めに抜根しておく必要があります。

と同時に、根の張り具合がどうだったのかを確認するのも兼ねています。

根の健康状態は、葉よりも根によく現れるからです。

土中から必要な成分を吸収する根が元気なら、植物も健康であるといえます。

一口に根といっても一様ではなく、太い根もあれば、目を凝らさないと見えない小さな根もあります。

実際に成分を吸収するのは、ほとんどが太い根ではなく細くて若い根のほうです。

若い根の先端からは根毛という微小な管が出ていて、これが根の表面積を大幅に増やし、土中成分を効率よく吸収できるようにしています。

健康状態の良いトマトの樹は、抜根しようとしても根がビッシリ張っているので簡単には抜けません。

一方で、病害虫に冒されたトマトの樹も。

根にコブ状のものが見えるのは、ネコブセンチュウという害虫が根に寄生してできたもの。

センチュウは、漢字で書くと「線虫」。

文字どおり線のように細長い体をしています。

コブになった部分は、根としての機能がうまく働かなくなるので、そのぶんトマトの樹の生長が阻害されて、体力を奪われ、実をつけにくくなってしまいます。

ネコブセンチュウが根に侵入した傷口から、別の病原菌が入ってくるリスクもあります。

特に、同じほ場でトマトをつくり続けていると、ネコブセンチュウの密度が高くなって収量が減るというのがよくあるパターンです。

このネコブセンチュウの被害をどうやって最小化するか。

私の栽培管理上の大きな課題です。

梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)

1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!

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