梶原耕藝

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2024.04.04|農家の日常

川勝静岡県知事の発言に思うこと

「県庁はシンクタンク。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノをつくったりということと違って、皆様方は頭脳、知性の高い方たちです」

静岡県知事の発言が批判されてますね。

県庁を辞めて野菜を売ってる自分が(笑)、思うところを書いてみます。

選民意識のかたまりのような、本当にどうしようもない意見です。

周りに野菜をつくってる農家の知り合いはいないんでしょう。

批判されて当然ですが、

「自分はそんなこと少しも考えたことない」

と胸を張って言える人は、果たしてどれくらいいるでしょうか。

自分も「農家なんて」と下に見る気持ちが100%無いかといえば、たぶんそんなことはないと思います。

少なくとも、昔はそうでした。

農業は素晴らしい仕事で尊敬されるべきだと言うなら、これだけ農家が減ってるのはなぜでしょうか。

「自然豊かな場所に住めて羨ましい」と言いながら、実際に移り住む人はほとんどいないのはなぜでしょうか。

実際のところは、農家にも憧れないし田舎にも住みたくないというのが、世の中の大多数の本音なのだろうと思います。

かくいう農家自身が「農家になるのはもったいない」と我が子を都会に送り出していたし、自分もそうでした。

そして、農業界に携わる人たちすらも「県庁を辞めてもったいない」と思っています。

世の中から県庁職員として認知されながら、それでも農家の道を選んだのは、農家の地位を少しでも高めたいという反骨精神もあったからでした。

農家になって本当に思うのは、農家にはたくさんの知識やスキルが必要だということ。

高度経済成長のようにモノが勝手に売れていく時代なら、とにかく生産活動に専念してさえいれば生活が成り立ったかもしれません。

でも、これから時代について行けない農家が淘汰されていく時代において、単なる生産活動に留まらない幅広い知識とスキル、それに裏打ちされた行動力が必要です。

わかり易く言えば

「農業はバカにはできない」

静岡県知事のようにインテリぶった極端な意見はともかく、農家の社会的地位が低いのは厳然たる事実で、尊敬はされても憧れられることは少ない。

たとえば、一流の料理人は憧れの存在になれますが、その食材を提供している農家が日の目を見る機会はほとんどありません。

農産物の「生産者」と認知されてるに過ぎないのです。

一流の料理人が憧れられるように、一流の農家が憧れの存在になれる。

そんな時代が来るのかはわかりませんが、少なくとも今の自分を支えているのは、農家を農家のままで終わらせたくないという気持ちで、これからますます自分のやり方を追求していきます。

梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)

1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!

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