梶原耕藝

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2026.02.08|新規就農

「理想の農家像」を背負いすぎないで。新規就農セミナーで伝えたかったこと。

昨日は、熊本県が主催する「新規就農セミナー&相談会」に参加してきました。

今回は、事例発表を行う「登壇者」としての参加です。

同じ登壇者である熊本市のミカン農家・福島さんとともに、司会の方からの質問に答える形で約1時間。

これから農業という未知の世界へ飛び込もうとする皆さんの前で、自分の経験をお話しさせていただきました。

「なぜ農業を始めたのか?」

「資金はどう工面した?」

「技術はどうやって身につけた?」

そんな問いに対して、できるだけ飾らず、等身大の言葉で答えるよう心がけました。

開業資金のリアルなやりくりや、今直面している課題、日々の苦労……。

人前で偉そうに語れるほどの成功を収めた自負などありませんが、だからこそ伝えられる「現在進行形の試行錯誤」があると思ったからです。

最後にいただいた「これから農業を始めたい人へのアドバイスを」という質問には、一番伝えたかったことを込めました。

「理想の農家像を背負いすぎないこと。そして、ちゃんと弱音を吐ける相手を見つけること」

農業はどうしても「自然とともに生きる素晴らしい仕事」という美しいイメージが先行しがちです。環境配慮だとか地域貢献であるとか、自分の理想とする農業をイメージして就農する人は多い。

でも、実際には自然の厳しさや経営の壁にぶつかる日もあります。そんなとき、一人で「理想」を抱え込んで折れてしまわないように、まずは生き残れと。

そして、カッコ悪い自分も見せられる場所を作っておくことが、長く続けるコツだと考えています。

セミナー後の相談会では、さらに深い熱量に触れることができました。

数年後に控えた定年退職後の第二の人生として農業を見据える方。 祖父母が使えなくなったハウスを引き継ぎ、ミニトマトを作りたいと目を輝かせる青年。

選挙前日という慌ただしい日程にもかかわらず、60名の事前申し込みがあったと聞き、熊本の農業に対する関心の高さに背筋が伸びる思いでした。

また、会場では、かつて職場で一緒だった県職員の方と、数年ぶりに顔を合わせました。

「議員になったんでしょ、スゴイね」と言われましたが(笑)

かつては同じ組織の一員として働いていた私たちが、今は「行政」と「農家」という全く違う立場で一つのイベントを作っている。

人生とは、どこでどう繋がるか分からない。だからこそ不思議で面白い。

私自身、まだまだ道半ばです。

でも、昨日お会いした就農希望の皆さんの動機や悩みに触れ、私自身の原点を思い出すこともできました。

私のたどたどしい話が、誰かの一歩を支える小さなヒントになっていたなら。

そして、いつか彼らと農家仲間として再会できたなら。

そんな未来を楽しみに、また農業と向き合っていこうと思います。

梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)

1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!

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