梶原耕藝

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2021.06.11|農家の日常

トマトとすてきな生理障害②

トマトの実にたまに現れる1本の傷。

これも生理障害の1つです。

その名前は「チャック果」。

見た目がチャックのように見えることから、その名がついています。

この「チャック果」は、先日紹介した「窓あき果」の兄弟みたいなもの。

症状が軽いのが「チャック果」、果皮が広がるほど症状が重くなったのが「窓あき果」という関係です。

いずれも、花びらの落ちが悪く、そのままくっついて実が肥大するのが原因とされています。

発生原因も同じで、育苗期間などに低温にさらされたりすると多く見られます。

逆に高温にさらされても良くないようです。

トマトの受けるストレスが「チャック果」の発生を助長させてるようですね。

適度な温度、適度な水分を心がけることで、「チャック果」といった奇形果の発生をずいぶん抑制することができます。

「チャック果」は筋状のキズが走ってるだけですので、「窓あき果」ほど奇形という感じがせず、ついつい残してしまいそうになります。

当然ながら、自宅で食するぶんには何の問題もないですが、残念ながら商品価値としては下がってしまうので、とりあえず摘果候補に入れておきましょう。

余談ですが、チャックとファスナーの違いってわかりますか?

実はどちらも物としては同じで、語源が違うだけです。

ファスナー(fastener)は「留めるもの」という意味の英語なのでわかりやすい。

チャックは、日本の会社がファスナーを『チャック』という商品名で販売したことが始まりで、巾着をもじったものだそうです。

梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)

1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!

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