2021.12.18|本の紹介
『生き物の死にざま』
読んでみて面白いなと思った本をご紹介。
ネットで偶然見つけた本ですが、子どもが好きそうな本だと思って購入した、
『生き物の死にざま』
いろんな動物たちが子孫を残すために、命尽きるその瞬間までどう生きるかを紹介してあるんですが、これがとても面白かった。
生まれた子どものために最期は自分の体を餌として捧げる、ハサミムシ。
暗い鶏舎の中で育てられ、出荷されるまでの40~50日しか生きられない、ニワトリ。
オスがメスの体に寄生してそのまま吸収される、チョウチンアンコウ。
などなど。
どの生き物も、命をつなぐことの哀切が伝わってきます。
本の中では、力尽きるまで蜜を集めるミツバチも紹介してあるんですが、うちのほ場でトマトの授粉用に飼育しているクロマルハナバチのことも思い出しました。
クロマルハナバチは日本在来のミツバチに近い仲間で、おそらくミツバチと生態は近いと思われます。
成虫になった働きバチは、まず巣内の清掃や子守りの仕事が与えられます。
やがて、餌の管理をしたり責任ある仕事を任せられるようになります。
そして、ベテランになったハチの生涯で最後に任せられるのが、花粉を集める仕事。
花粉集めは危険の多い仕事なので、若いモンにはさせられないってところでしょう。
だから、ほ場で飛び回っているのはだいたい立派な体をしたハチばかりです。
時々、トマトの花に留まったまま死んでいるハチを見かけますが、それは、力尽きるまで己の責務を全うしたハチの姿そのもの。
そこには「疲れたから仕事しない」とかいう感情は存在せず、ただ子孫を残すために命を燃やした事実だけがあります。
寒くなり食糧が不足してくると、ハチが次々と死んでいって巣が終焉を迎えます。
毎シーズンその光景を見るたび、働きに感謝する以外思うことはないですねー。
次の世代へのバトンタッチ。
命を燃やす姿って哀しさを含んでるけど、真っすぐで清々しいなと感じた本でした。
梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)
1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!
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