梶原耕藝

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2023.02.13|その他

地方移住の理想と現実

熊本のトマト農家、梶原耕藝です。

突然ですが、福井県池田町の「池田町7か条」をご覧になったことはありますか?

移住定住について池田町区長会が公表したその内容をめぐって、最近ネットで炎上しているそう。

人口2300人ほどの過疎の町だそうですが、移住者の”心得”を提言したその内容が上から目線だということで、賛否両論うずまいています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/cffae0e4bd49ab3a14278678d6b4363c6d07dc76

田舎には、都会でずっと暮らしつづけてきた人には想像できないくらい、たくさんの決まりや行事などが存在します。

年に数回の草刈りはもちろん、農業用水の管理、祭りなどの地域行事・・・

雪国であれば、除雪作業。

年齢が若ければ、消防活動。

都会であれば行政がやるような仕事も、田舎では住民がやる(しかない)ことも多々あります。

移住する前にその前提知識を入れておかないと、

「こんなはずじゃなかった」

と不満が爆発して、田舎から出ていくことになるのです。

自分も子どもの頃は田舎で育ったので、公役の多さは理解してUターンしてきましたが、それでも、地域行事やいろんな役仕事の多さには面食らってます。

なかには、本当に必要なのかわからない役仕事もあるんで、無くせる仕事はどんどん無くした方が良いと思うのですが、両親からいわせると、

「昔から田舎は共助で成り立ってるから、簡単に無くしてはいけない」

と。

地域の伝統や風習も大事で、残せるなら残したいんだけど、そこに固執して新しい風(人、価値観)を入れるのを拒んでいたら、座して死を待つしかありません。

少なくとも、自分の知る移住者はみな、

「田舎のすばらしい環境で豊かな人生を実現したい」

と考えている人ばかり。

それが、元々住んでた住民とのボタンの掛け違いで仲たがいすることになったりしたら、これほど不幸なことはありません。

自分はUターンした、いわばハイブリッド移住者なので、双方の言い分が痛いほど理解できますが、結局お互いが歩み寄って、自分たちの正義の御旗を一度ふりおろすしかないですね。

梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)

1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!

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