2023.05.04|農家の日常
トマトの根回し水の効能
熊本のトマト農家、梶原耕藝です。
この作業を終えたあと、右腕が筋肉痛になりました😖
トマト苗の定植を終えた後に必要な、大事な作業があります。
株元に1本ずつ直接水やりをする「根回し水」です。
定植した直後のトマトは、当然ながら土中に根を張っていないので、水分や養分を吸収できる状態にはありません。
そこで、株元にたっぷりと水を与えてあげることで、トマトの発根が促されます。
根をしっかり張って茎や葉を生長させられる状態、いわゆる「活着」させてあげるために、農家が水やりでサポートしてあげる感じですね。
根回し水も一度だけでなく、気候によっては何度も与える必要があります。
数千本のトマトの苗に1本ずつ水やりをするのは、決して楽な作業ではありません。
それでも、美味しくて強いトマトをつくるためには、欠かすことができないのです。
活着前のトマトの苗は、暑い日だと心配になるくらいグッタリとしていますが、根回し水を与えるとシャキッと復活。
根回し水を与えて活着した後は、当分の間水やりすることはありません。
そうすることで、トマトが水分や養分を吸収しようと根をしっかり張ろうとするからです。
人間の子育てと同じで、与えてばかりだと環境の変化に弱い育ち方をするし、かといって全く与えないのは×。
トマト(子ども)を育てるのではなく、育つ環境をつくってあげるのが農家(おとな)の役割。
愛情と厳しさの適度なバランスが、たくましいトマトづくりのためにも大事なのです。
梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)
1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!
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