2021.05.25|農家の日常
ピンチは成長の過程である
今シーズンのトマト栽培で、ある異変が起きています。
定植した苗に葉面散布をしていた時、葉が白く変色している株が複数見られることに気づきました。
「葉脈の周りが白くなってるのは何だ・・・?」
今まで見たことがないような症状だったので、その時はわかりませんでした。
先日、梅雨の晴れ間で気温が30℃近くに上がったんですが、その時、症状が一気に進みました。
株の下部の葉にとどまっていた症状が上部まで進み、変色していた部分が枯死してきたのです。
症状が出ている株の割合は、ほ場のだいたい50%ほど。
「これはさすがにちょっとマズいなぁ」
株を引き抜いてみたところ、根はちゃんと張っていたので、原因は地下部ではなさそう。
薬害ではないので、何らかの生理障害が発生していると思われます。
JAの営農指導員に見てもらったのですが、原因がよくわかりません。
近隣の農家でも同様の症状が出ているとのことで、うち特有の症状ではないようです。
考えられる原因としたら、やはり天候不良。
例年であれば定植時期は晴天が続くことが多いのですが、今年は梅雨入りがとても早く、雨天が続いています。
しかも、雨だけでなく風も強い日が数日あったので、定植したばかりのトマトの株に大きなストレスがかかっていたことは間違いありません。
葉は枯れていますが、芯はしっかりしているので、生育が遅れるとはいえ回復はしてくれます。
両親は、これまでトマトをつくってきて初めて見た症状だったらしく、気が気でないようですが、私はそこまで心配していません。
ピンチは決して悪いことだけではない。
「ピンチは成長の過程である」ことを知っているからです。
定植してからもっとこまめに潅水をすれば、多少は症状を和らげることはできたかもしれません。
今回のような経験をすることで、小さな改善を積み重ね、栽培技術を高めていくことができる。
そう思えば、今回のピンチも無駄ではない。
ピンチや失敗が単なる結果で終わるのか、あるいはそれらに意味を持たせ自分の成長の糧とするかは、自分のマインドしだいだと思っています。
ここからどうトマトを回復させられるか、どんな結果をもたらすのか、今から楽しみです。
梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)
1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!
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