2020.04.27|新規就農
農家が言ってはいけないこと
私が農業を志す前から、これだけは絶対に口に出さないでおこうと決めていた言葉があります。
今でも、たとえ悪いことが続いてもこれだけは口に出したくありません。
それは・・・
「農業なんてこんなもの」
です。
なぜ口に出したくないかというと、これは両親がずっと言ってきた言葉だからです。
私は小さいころから、仕事一筋で真面目に農業に没頭する親の姿を見てきました。
とにかく家族を養うためには身を粉にして働かなければ・・という思いがあったのでしょう。
一方で、朝から晩まで働いてクタクタになって、それでも不作の年は期待したほどの収入が得られないこともある。
不作ではなかったとしても、市場相場の上げ下げに我が家の経営が左右される。
そんな時に親がつぶやくのです。
「農業なんてこんなもの」と。
そんな姿を見て育った私には、小さいころから既に農業を継ぐという選択肢はありませんでした。
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それから数十年経ち、農業を職業として選択した自分がいます。
そして、決めました。
今でも鮮烈に覚えているあの言葉は言うまい、と。
農業は3Kの職場だと自らアピールしちゃダメでしょと思うのです。
私が熊本県庁職員だった当時、農業関係の会議に参加した時にいつも感じていたことがあります。
会議の主催者あるいは来賓の方があいさつをする際に、決まって言うのが、
「昨今の大変厳しい農業情勢ではありますが・・・」
まるで、農業の話をする際は常にネガティブな話から入るべし、という暗黙のルールがあるかのように。
私はこの言い回しがすごくキライでした。
せっかく農業関係者の前であいさつするんだから、もっとポジティブな言い方はできないものかと。
農業は気楽な職業だと言ってるわけではありません。
せめて、これから農業を志す新規就農者だったり、次の時代を担う子どもたちに対しては、農業は夢をかなえられる職業だと伝えてほしいだけです。
だから、自分の子どもに対しては、農業の持つ楽しさや喜び、職業としての利点、これからの農業の可能性をたくさん伝えてあげることが、親としての務めなのかなと考えています。
梶原耕藝 代表梶原甲亮(かじわらこうすけ)
1976年生まれ(43歳)。熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部政治学科を卒業して熊本県庁に就職。子供が生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業を取り組んでいます!
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